NEW SEROW 250 コンプリート 製作記 その3
それでは、第3話 フロントフォーク編です。
今回も結果的には以前と同様YZ85LWベースのサスペンションを選択したわけですが、すぐにその結論に行ったわけではなく、実は当初はYZ125Xのサスを取り付けてみようとしました。
しかし、残念ながら車高が大きく上がってしまうことや、ハンドル切れ角が足りなくなる、剛性のバランスもフロント周りが勝ってしまうなど、また重さもあまり軽減できないということがわかりこの案は最終的に没に。。。
結果、以前と同様にYZ85LWベースの選択をしましたが、以前弱点であった部分を今回はかなり改善できました。
まず、全体の剛性を見直しました。具体的にはフロントホイールのアクスルシャフト径が以前は細くなってしまっていたのですが、これをSTDと同等に。これでかなりフロント周りの剛性は向上しました。ステアリングブラケットはXTRIGを採用。これは剛性アップというよりもフロントフォークとの剛性バランスを取っての採用になります。以前はオリジナルを製作したのですが、ブラケットのみの剛性が高すぎる感があり下回りとのバランスが取れていませんでした。XTRIGの採用でかなりバランスは良くなっていると思います。
ちなみに、YZ85LWのブラケットを利用した廉価バージョンも製作します。こちらも2018年でハンドルクラウンまわりが大幅にアップデートされているので、悪くないと思います。コストも下がりますしw。選択肢が広がりました。ヤマハさんありがとうございます笑。
次に、サスペンションそのものの性能アップです。
まず、YZ85 に比べると格段に重量のあるセローですのでSTDのスプリングではどうしても反力が足りません。 また自重で大きく沈んでしまいます。さらに、21インチホイール+エンデューロタイヤの採用でどうしてもストロークを減らす必要があります。 少ないストロークでいろいろな仕事をサスペンションはしないといけません。
ここはサスペンションのテク二クスさんに多大な協力をお願いして、スペシャルのスプリングを製作していただき大きく改善しました。以前はやりたくてもなかなかできなかった部分です。そしてそれに合わせたイニシャル荷重、またダンパーセッティングを施しました。
オフロード、特にハードエンデューロ系では「衝撃を吸収する」という役目のサスペンションと同時に、ライダーのアクションをマシンへ伝え、マシンに動きを作る役割があります。社内ではマイナス側の動き、とか呼んでますが。
これは衝撃吸収とは相反する要素が求められる部分もあり(ライダーの動きを吸収しすぎてしまうとマシンが動かないので)セッティングがなかなか難しい部分です。ここは、弊社のトライアル経験を活かし、それに応えていただくテク二クスさんの多大な協力でかなり乗りやすくなっていると思います。
サスペンション自体も2018年から格好良くなり、ブレーキホースの取り回し等も普通になったのでw、そのあたりはだいぶ助かっています。これまたありがとうございますヤマハさん笑。
ちなみに、ブレーキなのですが実はセロー250はディスク径が大きくなっています。それに対応するのはなかなかハードルが高く、現在はYZ85 LWの径のままなのですが、ZETAさんのローターとブレーキパッドを変更することで制動力等へ対応をしています。
サスペンションは、衝撃吸収性の役割、ライダーのアクションをマシンにうまく伝える役割、と書きましたがもうひとつ。ハンドリングにも大きな影響を与えます。
これも、開発に際してかなり苦労した部分で、シート高や重心はできるだけ上げたくない、でもサスペンション性能は上げたい、ハンドリングは変えたくないとかなりこだわりの中でテストを繰り返しました。
初回で申し上げた通り「ちょっと速いスピードレンジでの使用」を想定しているので、皆さんはレアルならでは?の「トライアルっぽいハンドリング」を想定されているかもしれませんが、そういう意味では以外に普通です笑。その普通感を出す(というか違和感を出さない)ために、メカニックはテスターの細かい要望に何度もセッティングを変更することになり大変だったと思います。ご苦労様でしたwww
ただ、サスペンションの話とはちょっと離れますが、トライアルでは無いといいながらもスタンディングでも乗れるということは重要な要素でしたので、割とくせのないヤマハ純正のYZ250F用のハンドルをかなり起こしてセットしています。スタンディングだと少し遠く感じるかもしれません。
さて、実はこの文章を書いている最中も、さらに少しでも良くしたいとテク二クスさんにはさらなる要望(無理なお願い?)を出しているところです。
これができて来てテストをするのがとても楽しみです。
終わりの無い開発話なのですが、社内ではこれを「盆栽活動」と呼んでいます笑。盆栽にはさみを入れだすと「もうちょっと・・・あと少し」と、これでいいという終わりが無くなるのでwww 余談でした笑。
では次回をお楽しみに。次回は・・・リヤアームですねやっぱり!
ご注文の流れ
オリジナルパーツ・サービス申込み方法
STEP:1
オリジナルパーツ・チューニングサービスからご希望の商品を選び「カートに入れる」ボタンをクリックしてご注文手続きを行ってください。
STEP:2
スタッフが在庫やファクトリーの状況をチェックし、お客様に価格の詳細、納期など をメールでお知らせします。宜しければメールの返信で注文を確定してください。
STEP:3
注文確定後、レアルエキップより商品を代引きにて発送致します。チューニングサービスの場合は打ち合わせのうえ作業を開始します。
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