初代セロー225スペシャルと、250になったばかりのキャブレター仕様のセローのスペシャル2代目

セロー225のコンプリートを作ってからすでに20年近くが経ちました。
その間にセローは250になり、インジェクションになり2018年にはさらに環境配慮等の進化をして登場。そのコンセプトは変わらないまま多くのライダーの方に好評に受け入れられていると思います。
そんな新しいセローをもう一度今のノウハウで改良したらどんなマシンになるかな・・・そんな興味がずっと湧いていてボチボチとやっていたのですが、ようやくひとつの完成形がお見せできるようになりました。
今回は、マシン作りのきっかけや、全体のコンセプトなどを書いてみたいと思います。
国内市販車は先ほどの環境配慮等を含め、生産性や耐久性、様々な使用条件の中でも走らなければいけないなど、とても多くの制約の中で作られていると思います。
セロー=トレッキング、というコンセプトなのは言うまでもありませんが、その制約の中でスポイルされてしまった本来性能をレアルエキップで発揮させてみたい。そんなことを考えていました。
最近、「ハードエンデューロ」というジャンルが流行していて、ある意味セローは低いシート高や空冷が故にオーバーヒートでラジエターから水が吹く、というようなことがありません。この利点を伸ばして弱点を薄めてあげればなかなか高い戦闘力ができるのではないか?と思ったわけです。
実際、エンデューロレースでは鈴木健二選手がセローでレーサーを相手に全く引けを取らない走りをしたり、ハードエンデューロ界でも「セローおじさん」石川選手が恐るべし走破性を見せていたりします。

特に石川選手には、2年ほど前に初代セローのスペシャルパーツのオーバーホールを依頼され、忘れかけていた仕様を思い出したり、そうするうちにその当時の苦労やもっとやりたかったことなどがふつふつと思いだされたのでした(笑)。
ということで、ニューセローの制作にあたってのコンセプトは、「ハードエンデューロ」よりのマシン、ということになるのですがそれではちょっと雑駁なのでw、具体的には、
1.軽量化
2.足回り(サスペンション)の性能向上
3.ヒルクライムに強い重量配分
という目標を掲げました。
また、裏目標?として
4.過去の製品の弱点カバー
なんてのも社内的には掲げてましたがw またLEDライトやリチウムバッテリーなど、20年近くたって大きく進歩したものも採用してみたかったです。
詳細は次回以降に引っ張りますが、結果的に13㎏近い大幅な軽量化を果たすことができ、ムーブメントパーツ(ステアリングまわりやリヤのばね下荷重など)を軽量化しながらも、前後の重量配分はリヤのホイールベースを40㎜延ばすことにより(これは初代からも同じコンセプトなんです)前の重量配分を3%程度増ややすことができました。
13㎏の軽量化は、さすがに乗ってすぐにわかるレベルですwww!!
文章が長くなってしまったので、今回はこのくらいで。。。
次回はフロントサスペンションについて書いてみたいと思います。お楽しみに!